■総務の“困りごと対応”が見えにくい理由と、伝わる工夫のすすめ

書類 総務

“縁の下の力持ち”として

私はこれまで、企業の現場で総務という立場で働いてきました。
確かに、華やかさはないけれど、誰かの役に立つ。その思いが、私の背中を押し続けてくれました。

とはいえ、ふと思うことがあります。
「総務の仕事って、ちゃんと伝わっているのだろうか」と。

もし今これを読んでいるあなたが、
「自分の仕事が誰かにちゃんと伝わっているのだろうか?」
そんな思いを抱えていたら――
実を言えば、私も、同じことを何度も考えてきました。

総務の仕事は、目立たないのです。
でも、誰かが困っているときには、そっと手を差しのべている。
それが、あなたの毎日なのではないでしょうか。

困りごとが起きたとき、そばにいるのが総務です

困っているスタッフ

コピー機が動かない。備品が足りない。椅子が壊れた。空調が止まった……。
こうした日常の「ちょっとした困りごと」に、真っ先に駆けつけるのが総務の役割です。

さらに、
入退社の手続き、社内イベント、防災対策、契約書の管理、福利厚生の整備――。
総務の仕事は、会社を円滑にまわす土台そのものです。

つまりこの「総務 困りごと対応」が、社員の働きやすさや会社の安心を静かに支えているのです。

“見えづらい価値”が、伝わりにくさの理由

備品

実は、総務の仕事が評価されにくい理由の一つが「問題が起きないのが成果」だからです。

備品がきちんと揃っている。
申請手続きに迷いがない。
災害時も冷静に行動できる。

それはすべて、日々の準備と気配りがあるからこそ。
でも、それが“当たり前”になると、感謝の声は聞こえにくくなります。

ときに「総務って何してるの?」と誤解されることまであります。
だからこそ、私たちは “見えない価値” を言葉や形で丁寧に伝えていく必要があると思います。

総務だからできる「小さな広報活動」

相談する人
私が実践してきたのは、ちょっとした工夫です。

・月1回、社内掲示板に「今月の困りごと解決報告」を出す

・困りごとボードを設置し、対応状況も見える化

・定期的なアンケートで社員の声を拾い、改善につなげる

・社内報で「社員の声 × 総務の工夫」をセットで紹介

小さな取り組みでも、続けることで「そういえば助かってるよね」と声をかけられるようになりました。
このように見えないところに手を差し伸べる総務の価値を、少しずつ言葉にしていく――それが、評価につながる第一歩なのだと思います。

困りごと対応は、「気づく力」から始まる

喜ぶスタッフ
総務の仕事は「目立たないけれど欠かせない」仕事。
困りごとを事前に察知し、社員がつまずかないように先回りをする。それは、まさに“気づきの力”です。

だから私は、誰かの「ありがとう」を待つのではなく、
その言葉が生まれる瞬間をつくる側でいたいと思うのです。

おわりに:静かに支える、けれど確かな誇り

スタッフ

「ありがとう」が聞こえにくいからこそ、総務には静かな強さが求められます。
誰かの困りごとにそっと気づき、そっと解決していく。
その一つひとつが、会社全体の安心と信頼につながっています。

総務や人事、カスタマーサポート。
人のサポートをする立場にあるあなたは、きっと「誰かのために」と日々を動いているのだと思います。


でも、時には疲れたり、不安になったり、報われないように感じることもあるかもしれません。

そんな時こそ、思い出してほしいのです。
あなたの気づきや行動が、他の誰かの一日をスムーズにし、その人に安心を与えています。


その「目に見えにくい仕事」が、実は組織の土台を支えているのだということを。

ひとりで抱え込まず、必要な時には誰かに頼って下さい。
あなた自身も、大切にされるべき存在だという事を忘れないで下さい。

今日も、お疲れさまでした。
そして、あなたの仕事に、心から感謝します。

奥村敬太郎
オフィスコーラル代表・総務 /人事/CS歴38年
「働く人を支える言葉を、そっと手渡せるように」

オフィスコーラル
筆者Web-site

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