数字で評価されることが当たり前になった今、
「この仕事に、意味はあるのだろうか」
「自分は役に立っているのだろうか」と、ふと立ち止まりたくなることはありませんか?
私は百貨店で38年間、現場とバックオフィスを経験してきました。
目に見える成果も、見えない努力も、たくさん見てきました。
今日は、その中で私が心から信じる「人の価値は数字では測れない」という話を、あなたにお届けしたいのです。
売上より、あなたの「存在」が価値になる

私は、新卒で百貨店に入り、定年まで働き続けてきました。
現場では、売上・接客件数・資格・勤怠など、常に“数字”がついてまわります。
でも正直なところ、そうした評価にずっと悩んでいました。
どれだけ頑張っても数字に表れなければ「努力してない」と思われる。
そんなプレッシャーの中で、「自分には何の価値があるんだろう」と落ち込んだ日もあります。
ところがある日、後輩からこんな言葉をかけてもらいました。
「いつも笑顔で話しかけてくれて、緊張がほどけました。ありがとうございます」
たった一言でした。でも、その一言で、私はようやく「自分の存在にも意味があった」と感じられたのです。
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数字に出ない仕事こそ、誰かを支えている

関連サイト:
厚生労働省|働き方・休み方改善ポータルサイト
→労働環境や働き方改革に関する公的情報
Gallup – Employee Engagement & Workplace Management
従業員のエンゲージメントや評価に関する調査・情報
売上に直結する仕事だけが、評価の対象になる。
そう思っていた私にとって、「数字に表れない努力」は見過ごされがちでした。
でも、現場にはたくさんあるんです。
誰にも気づかれないところで補充してくれる備品、見えないところで整えてくれている売り場、困っている新人に寄り添ってくれる先輩。
それらはすべて、チームの空気を守る大切な“仕事”でした。
私が人事にいた頃、数字だけを見て評価しようとしたことがあります。
でも、現場の声に耳を傾けると、どの部署にも「数字に見えない支え役」がいることが分かりました。
「この人がいるだけで安心する」
「自分だけじゃないって思えるから、頑張れる」
そんな“見えない力”が、組織には確かに存在しています。
「評価」ではなく「影響」に目を向けてみる

数字で表せない努力や気づかいは、周囲の人たちに少しずつ“影響”を与えています。
たとえば、あなたの丁寧な応対が、その日誰かの気持ちを少し楽にしたかもしれない。
あなたの一言で、誰かが「また頑張ろう」と思えたかもしれない。
それは、売上や評価には出てこないけれど、確かに人の心を動かす“価値ある影響”です。
人の働きには、表に見える「成果」だけでなく、目に見えない「影響」があります。
だからこそ、自分の仕事にすぐに結果が出なくても焦らないでください。
あなたが誰かに与えている良い影響は、静かに、でも確かに広がっています。
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あなたの“ふつう”が、誰かにとっての希望になる

関連サイト:
日本労働組合総連合会(連合)
労働者の権利や職場環境の改善に関する情報が充実
Society for Human Resource Management (SHRM)
人事管理の最大手団体。多くのリソースと調査が公開されている
「頑張ってるのに評価されない」
「自分なんて、いてもいなくても変わらないかもしれない」
そう感じる日があるのは、自然なことです。
でも、どうか忘れないでください。
あなたが毎朝「おはよう」と声をかけたこと。
緊張した新人に笑いかけたこと。
疲れている同僚にそっと手を差し伸べたこと。
それらは、誰かの心を確かに軽くしています。
あなたにとっての“ふつう”が、
誰かにとっての“大きな支え”になっていることがあるのです。
おわりに──焦らず、自分を信じて

評価されない日が続くと、不安になるのも無理はありません。
でも、「評価されないから無価値」ということは決してありません。
数字では測れない努力、
誰にも見られていないように思える気づかい、
声には出されなくても、感謝されている小さな行動。
それこそが、職場を、そして人を支えているのです。
私は38年働いて、ようやくその意味に気づきました。
だからこそ、今、働いているあなたに伝えたい。
「人の価値は数字では測れない」
たとえ誰からも気づかれていないように見えても、
あなたの仕事には、あなたの存在には、ちゃんと意味があります。
どうか今日も、自分のペースで、大切に一日を過ごしてください。
奥村敬太郎
オフィスコーラル代表・総務 /人事/CS歴38年
「働く人を支える言葉を、そっと手渡せるように」
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