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  • ■そのクレームは、あなたを責めるためのものじゃない──38年の現場から伝えたいこと

    ■そのクレームは、あなたを責めるためのものじゃない──38年の現場から伝えたいこと

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    クレーム対応で心が折れそうなあなたへ──それは「信頼回復」への始まりかもしれません

    心が折れた人

    「また自分が何かミスをしたのかもしれない」
    「どうしてこんなに責められるんだろう……」

    クレーム対応の現場で、そんなふうに心が沈んでしまったことはありませんか?
    そんな時は、どうか思い出してほしいのです。
    そのクレームは、あなたを責めるためのものではなく、“信頼を回復したい”という気持ちの裏返しなのかもしれないと。

    私は38年間、接客とクレーム対応に向き合ってきました。
    そのなかで、クレームの裏にある「もう一度信じたい」という静かな願いに、幾度も出会ってきました。

    声を上げてくれるのは、まだ期待がある証──クレーム対応と信頼回復の関係

    信じあう人々

    関連サイト:

    ある日、お客様から「こんな対応をされるとは思っていなかった」とお叱りの声をいただいたことがありました。
    原因は、スタッフのちょっとした説明不足でした。

    若手スタッフはうなだれていましたが、私はそのお客様に丁寧に話を伺いました。
    すると、最後にこうおっしゃったのです。
    「このお店には、ずっと頑張ってほしいから言ったのよ」

    ――そうなのです。
    本当にあきらめていたら、誰も言葉をかけてはくれません。
    「もっと良くなってほしい」という気持ちが、クレームというカタチで届くことがあるのです。

    その一言に込められた気持ちを受け止めてこそ、
    クレーム対応からの信頼回復が始まっていきます。

    「攻めの姿勢」が未来を変える──クレーム対応に込める小さな勇気

    未来

    クレーム対応は「謝ること」「耐えること」と思われがちです。
    でも私は、「信頼回復のために攻める姿勢」こそが大切だと信じています。

    ・なぜこのミスが起きたのか
    ・どんな仕組みを変えれば防げるのか
    ・次はどうすれば、もっと気持ちよくご利用いただけるのか

    これらを一つひとつ振り返り、言葉にして伝えること。
    その姿勢が、ただの謝罪では終わらない信頼回復の第一歩になります。

    以前、厳しく叱られたお客様が、数ヶ月後に「また来ましたよ」と笑って再訪されたことがあります。
    「ちゃんと改善してくれてたの、伝わりました」と。
    その瞬間、私たちの努力が報われたと感じました。

    クレームの向こうには、「ありがとう」の言葉がある

    ありがとうと祈る

    関連サイト:

    e‑Keieisya(経営者研究所)
    ネガティブな状況をポジティブに転換するクレーム対応のヒントが豊富です。

    怒りの声の奥には、本音が隠れていることがあります。
    その本音と向き合えたとき、クレーム対応は信頼回復の物語に変わります。

    私の忘れられない経験のひとつに、こんな出来事があります。
    ある日、強くお叱りをいただいたお客様から、数日後に手紙が届きました。

    「あなたが最後まで話を聞いてくれて、気持ちが落ち着きました。ありがとうございました」

    その手紙を読んだとき、胸がいっぱいになりました。
    クレームの向こうにある“ありがとう”に触れられるのは、真摯に対応した人だけが得られるご褒美なのかもしれません。

    最後に──今、あなたに届けたい言葉

    あなたへ

    今、クレーム対応に疲れ、心が折れそうになっているあなたへ。
    どうか、自分を責めすぎないでください。

    そのクレームは、あなたの人格を否定しているわけではありません。むしろ、もう一度信じたいという、希望の種かもしれない。

    クレーム対応のその先に、信頼回復という温かな未来が待っている。
    そのことを、私は38年間の現場経験を通して、確かに実感しています。

    あなたの頑張りは、きっと誰かの心に届いています。
    今日もまた、あなたのその真摯な姿勢が、誰かの「ありがとう」につながっていきますように。

    奥村敬太郎
    オフィスコーラル代表・総務 /人事/CS歴38年
    「働く人を支える言葉を、そっと手渡せるように」

  • ■クレーム対応で心が沈んだあなたへ──現場から見えた「気持ちの切り替え方」

    ■クレーム対応で心が沈んだあなたへ──現場から見えた「気持ちの切り替え方」

    たった一言のクレームが、気づきと気持ちの切り替えにつながることもある

    お客様

    「この売場、なんだか入りにくいですね」──
    その一言は、私の視点を大きく変えてくれました。

    お客様の言葉に傷つくこともありますが、クレーム対応を通じて、 売場の問題点に気づけたのは大きな収穫でした。

    私たちは日々の業務に慣れ、変化に気づきにくくなります。
    けれど、外からの声は気づきの宝庫です。
    クレーム対応 と、その後の気持ち切り替えのコツは、 まず立ち止まって「なぜそう言われたのか」を考えること。


    売場の導線を見直し、小さな改善を積み重ねた結果、 お客様から「入りやすくなった」と言っていただけるようになりました。
    クレームの一言は、自分を責めるためのものではなく、未来へのヒントなのだと感じています。

    クレームは「困っている」というサイン──まずはそこに気づくことから

    百貨店 売場

    クレーム対応をしていると、つい「怒られている」と感じがちです。でもその裏には、たいてい「困っている」というサインがあります。

    「わかりにくかった」「手続きが面倒だった」──そうした言葉の背後には、「不安だった」「迷ってしまった」といった感情が潜んでいるのです。

    私自身、「この人はいま、何に困っているのか」と考えるようになってから、対応する気持ちがずいぶん楽になりました。

    クレーム対応 、気持ち切り替えの第一歩は、
    「責められている」ではなく「助けを求められている」と受け止めること。すると、相手の感情に飲まれずに冷静に対応できるようになります。

    「気づかせてくれてありがとう」──気持ちの切り替えができた瞬間

    売場

    改善した売場を見たお客様が「入りやすくなったね」と笑顔で話してくれたとき、私は初めてクレームを「ありがとう」と思えました。

    それまでは、強い言葉に傷つくことも多く、素直に受け止められない自分がいました。
    けれど、気持ちを切り替えて「どこに改善の余地があるのか」と向き合った結果、前向きな反応をいただけたのです。

    この経験が、クレーム対応 や気持ち切り替えの原点になりました。

    私たちが冷静に受け止めて行動すれば、クレームは次のお客様の安心に変わります。
    だからこそ、「気づかせてくれてありがとう」という思いを大切にしたいのです。

    クレームの裏にある「信頼」と「期待」に気づけたとき、心がやさしくなった

    百貨店 お客様

    「本当に怒っている人は、黙って離れていく」──
    これは、私が尊敬している先輩の言葉です。
    クレーム対応を続けるうちに、その意味が身に沁みて分かるようになりました。


    お客様が言葉をかけてくださるのは、
    「もっと良くなってほしい」「ここに期待している」という気持ちがあるからです。

    そう思えるようになってから、私は対応する気持ちが穏やかになり、感情に引きずられずに話を聞けるようになりました。

    クレーム対応 とその後の気持ち切り替えのカギは、
    「声の奥にある信頼」に気づくこと。
    その気づきが、自分を支えてくれる心の土台になっていきます。

    気持ちを切り替えるには「話せる場」が必要だった

    クレーム対応のあと、心がざわついたままでは、なかなか前を向けません。 私にとって大切だったのは、気持ちを「誰かに話せる」ことでした。


    上司や同僚、家族に少し話すだけで、自分の感情を整理でき、 気づかなかった視点に触れることもありました。
    クレーム対応 気持ち切り替えには 、技術や理屈だけでなく、安心して弱音を吐ける環境が欠かせません。

    話すことで気持ちが軽くなる。受け止めてくれる人がいる。 そうした「つながり」が、人をまた前に進ませてくれるのだと思います。

    それ以外にも、私が実践してきたちょっとした気持ちの切り替え方をご紹介します。

    • 対応後は、席を離れて軽く深呼吸する
    • お気に入りの飲み物を一杯ゆっくり味わう
    • やさしい言葉を書き留めたノートを見返す
    • 「あの対応、最後まで丁寧にやれた」と小さな自分をねぎらう

    ほんのささいなことでも、気持ちの切り替えにつながります。
    大事なのは、「その感情はちゃんと感じていい」と一度受け止めてあげること。
    そして、切り替えるタイミングを、自分自身で選んでいいのだと許してあげることです。

    クレーム対応の経験が、あなたの力になる日がきっと来る

    百貨店売り場

    38年間の現場経験の中で、私が一番成長を感じたのは
    クレーム対応でした。あのときの対応が、今の私の土台になっています。

    感情の揺れ、冷静さの欠如、失敗への後悔──それらをすべて乗り越えた先に、「強さ」と「やさしさ」が残りました。

    当時は苦しかったけれど、今は感謝しています。
    クレーム対応とその後の 気持ち切り替えの経験が、
    私に本当の意味で「人に寄り添う力」を与えてくれました。
    今、向き合っているあなたも、きっとそうなれる。この経験は、必ずあなたの財産になります。

    CSも、人事も、総務も、「これが正しい対応」と言い切れない場面ばかりです。だからこそ迷うし、心も疲れる。

    けれど、誠実に向き合おうとするその姿勢が、きっと誰かの安心につながっています。

    お客様の奥にある気持ちを感じ取り、そっと寄り添い、そして必要なときには、あなた自身の心にもやさしくしてあげてください。

    変化のきっかけは、いつもあなたの中にある

    クレーム対応は、決して簡単な仕事ではありません。
    けれど、そこには「信頼関係を築きなおすチャンス」や、「現場をよくするヒント」がたくさん詰まっています。

    もし今日、クレームで気持ちが沈んでしまったなら──
    まずは、自分を責めずに、ひと息ついてください。

    そして、「きっと、私だからこそ気づけることがある」と、そっと思い出してほしいのです。

    あなたの丁寧な姿勢、やさしさ、そして気持ちを切り替える力は、きっと誰かの支えになっています。

    これからも、心に寄り添いながら、歩いていけますように。

    おわりに

    希望

    CSも、人事も、総務も――どれも、人の声と向き合う仕事です。だからこそ、見落とされやすく、報われにくく、疲れやすい。

    けれど、その積み重ねが、組織の支えとなり、信頼を育てていきます。

    日々の中で、ふと心が折れそうになるときもあると思います。それでも、ほんの小さな工夫や、たった一言の声かけが、誰かを救うこともある。
    その力を、あなたはきっとすでに持っている。

    今日も、誠実な対応を重ねていく皆さんを、心から応援しています。

    奥村敬太郎
    オフィスコーラル代表・総務 /人事/CS歴38年
    「働く人を支える言葉を、そっと手渡せるように」